賃貸管理業登録って聞いたことありますか??

賃貸管理をやっている(または始めたい)方から、最近よく出る質問があります。

  • 「うちは賃貸管理200戸いってないから登録いらないよね?」
  • 「でも登録してる会社って信用される?」
  • 「登録するなら、何が“必須要件”なの?」

結論から言うと、賃貸管理戸数が200戸以上なら登録は義務です。逆に200戸未満は任意ですが、任意でも「登録する意味があるケース」は普通にあります。 (国土交通省)

この記事では、一般の方向けに「制度の全体像」と「行政書士が現場で何をやるのか」を、できるだけ噛み砕いて解説します。


1. そもそも「賃貸住宅管理業」って何をしたら該当する?

法律(賃貸住宅管理業法)でいう「賃貸住宅管理業」は、ざっくり言うと

  • オーナー(賃貸人)から委託を受けて
  • ①建物・設備の維持保全(点検・修繕手配など)
  • ②家賃・敷金・共益費など金銭の管理
    といった「管理業務」をやる事業

という扱いです。 (e-Gov 法令検索)

「管理」の中身が曖昧なまま仕事を受けると、あとで「それ登録必要なやつでは?」が起きやすいので、まずここを整理します。


2. 登録が“義務”になるライン:管理戸数200戸以上

国交省の整理では、自己所有物件の管理を除いた管理戸数が200戸以上の事業者は、国土交通大臣への登録が義務です。 (国土交通省)
登録申請は、原則として国交省の電子申請システムで行う前提になっています。 (国土交通省)


3. 200戸未満でも「登録するメリット」

200戸未満は任意ですが、登録には現実的なメリットがあります。

メリット①:オーナー・取引先への“信用の見える化”

登録制度は、一定のルール(説明、報告、分別管理など)を守る前提の仕組みです。
「うちはちゃんとしてます」を口で言うより、登録番号がある方が説明が速いです。 (国土交通省)

メリット②:トラブル予防(説明・報告・お金の管理ルールが決まる)

登録業者には、代表的に次のような義務が整理されています。

  • 契約前の重要事項説明・書面交付
  • オーナーへの定期報告(少なくとも年1回以上)
  • 家賃・敷金等の金銭の分別管理(口座や帳簿上で区別できる状態にする) (国土交通省)

小規模ほど、1回のクレーム・返金・炎上が致命傷になりやすいので、最初からルールで固めるのは合理的です。

メリット③:将来200戸を超えるときに慌てない

管理戸数は「紹介・提携・サブリース絡み」などで急に増えます。
任意で先に登録しておくと、拡大局面での事故が減ります(200戸超えた瞬間に無登録はアウトなので)。 (国土交通省)


4. 200戸未満で登録するデメリット

登録は「看板」ですが、同時に「義務セット」も背負います。体制が薄いとキツいです。

デメリット①:事務負担が増える(説明・報告・帳簿・分別管理)

「年1回報告」「分別管理」「従業者証明書」「帳簿」など、細かい実務が増えます。 (国土交通省)

デメリット②:「業務管理者」を置けないと詰む

営業所(事務所)ごとに、業務管理者を1名以上置く必要があります。 (国土交通省)
要件は国交省が整理していて、代表例は次のとおりです。

  • 実務経験2年以上+登録試験合格
  • 実務経験2年以上+宅建士+指定講習修了 など (国土交通省)

デメリット③:費用がかかる(登録免許税)

登録申請には、申請1件あたり登録免許税9万円が必要です。 (国土交通省)
また登録の有効期間は5年で、更新も必要です。 (国土交通省)

デメリット④:「営業所・事務所」の実態が必要

電話取次だけの場所は営業所扱いになりません。継続的な営業拠点としての実態が必要です。 (国土交通省)


5. 登録にあたって「必ず必要な要件」(最低限ここ)

一般向けに言うと、登録の“入口”で必ず確認されるのは主にこの3つです。

  1. 欠格事由に当たらないこと(一定の処分歴等があると登録不可) (国土交通省)
  2. 業務管理者を置けること(要件を満たす人材がいる) (国土交通省)
  3. **財産的基礎(ざっくり:事業として回る体力)**があること(更新時も重要) (国土交通省)

※「うちは法人化してないから無理?」みたいな誤解もありますが、形態というより 要件と実態がポイントです(個人でも制度の対象になり得ます)。 (国土交通省)


6. 登録後に“必ず必要になる運用”

登録はゴールではなくスタートです。代表的には以下を回す必要があります。

  • 分別管理:受領金銭の口座や帳簿が「会社のお金」と混ざらない状態 (国土交通省)
  • 定期報告:管理状況や苦情対応などを年1回以上で報告 (国土交通省)
  • 帳簿・標識・従業者証明書などの整備 (国土交通省)

ここを回せないなら、登録はおすすめしません。登録してから慌てるのが一番危ないです。


7. 行政書士はここをやります(“登録だけ”で終わらせない)

行政書士の仕事は、単にフォームに入力して申請するだけではありません。現場で役に立つのはこのあたりです。

(1) 「登録が必要か/任意登録すべきか」診断

  • 管理戸数の数え方整理(自己所有は除外など) (国土交通省)
  • 業務内容が法の「管理業務」に当たるか整理 (e-Gov 法令検索)

(2) 要件のチェックと不足の埋め方

  • 業務管理者の要件充足ルートの整理(試験・講習・実務経験) (国土交通省)
  • 営業所実態の整理(電話取次だけはNGなど) (国土交通省)

(3) 登録申請書類の作成・電子申請の支援

  • 国交省の電子申請前提の流れに沿って書類を組み立て (国土交通省)
  • 登録免許税9万円の扱いの案内・段取り (国土交通省)

(4) 登録後に必要な“運用書類・ルール”整備

  • 分別管理・定期報告など、運用で事故りやすい部分を「手順」として落とす (国土交通省)

まとめ:200戸未満の登録は「信用を買う」か「負担を背負う」か

  • 200戸以上 → 登録義務(やらない選択肢は基本なし) (国土交通省)
  • 200戸未満 → 任意。ただし“営業戦略として登録する”は普通にアリ (国土交通省)
  • 登録するなら、業務管理者・分別管理・定期報告を回せる体制が前提 (国土交通省)

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